台風10号による「塩風害」について
2019年8月の台風10号は、西日本各地に記録的な暴風によって大きな被害をもたらしましたが、暴風で吹き付けられた海水の塩分=塩風害によって、送電線から火花が出るなど列車の運休や遅れが相次ぎました。
塩風害が発生するのは、強風で日頃の防災対策のない内陸まで塩分が運ばれたときで、その対策は「早目に水で洗浄する」といった方法があります。
付着した塩は普段の雨で洗い流されますが、心配な場合は「外まわりの安全点検」と「外壁やサッシの水洗い」をお奨めします。
塩風害について
多量の塩分を含む風を塩風といいます。
塩風による塩害(塩風害)が発生する要因として、多くの方は「海に近いから」というイメージを持っています。もちろんこれも大きな要因なのですが、発達した低気圧や台風により生じた強風と海面のしぶきによって、海塩粒子が塩風となって内陸部に運ばれて被害をもたらします。
塩風後の雨も塩害に大きく影響します。
塩風が止んだ後にある程度の雨が降ると、付着した塩分が洗い流されて塩風害が発生しにくくなりますが、しばらく雨がないと水分の蒸発によって塩分が結晶化、蓄積して塩害に発展します。
塩害を受けたまま放置は大変危険です。
塩分が家屋の腐食やサビの原因となり、そのままにしておくと建物の寿命を縮めることにつながる場合があります。塩害で開いてしまった穴からは雨水が入り込んだり、電気機器のトラブルを引き起こす可能性もあります。
そのようなことにならないために、塩害を受けた建物のメンテナンスは必要です。
すぐ!簡単!にできる対策
塩害を未然に防ぐには、付着した塩分を定期的に洗い流すことが効果的です。ただし、外壁への高圧洗浄機の使用に関しては、外壁を痛める危険性があり、状態によっては塗装が剥がれる原因となり得ますので、あくまでも塩分を洗い流すようなイメージで掃除してください。
建物に関する主な塩害
・金属部分のサビ
サッシや手すりなどの部品が塩害で錆びてしまえば、そこから建物本体にまで腐食が進行してしまうことも考えられます。
また、金属サイディングには、錆びないようなメッキや塗装などの対策は施されていますが、塩分の影響を完全に防ぐことはできません。
・塗装の劣化
塗装の劣化は紫外線、汚れや雨など様々な要素が影響してきますが、塩分も塗装の劣化を進める大きな要素となります。
塩分が塗装部に付着したまま放置してしまうと、塗装の劣化進行を早めてしまい、本来の防護力を失ってしまうと外壁材自体が直接塩分の影響を受けるようになり、最終的には建物の骨格に悪影響を及ぼすこともあります。
・コンクリート系の腐食
コンクリートはアルカリ性の状態に保たれているため、鉄筋はその不導体皮膜で保護されて錆びませんが、雨が降ると表面に付着している塩分も同時に染み込んでコンクリートの塩分濃度が上昇します。
塩分濃度が高まりすぎてしまうと、鉄筋を保護している皮膜が破壊されてコンクリート内部の鉄筋が腐食しますが、鉄筋は腐食すると膨張するためにコンクリートが割れ、ひびから更に塩分が更に入り込みやすくなるので、腐食が一気に進む事態となります。
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